ヒルパインズ「エスプレッソ」のお話。

おはようございます。

こちらの投稿を全く更新できてないない店主です、、。

おかげさまで、ヒルパインズエスプレッソが年明けで3ヶ月を迎えます。一つの節目として3ヶ月。あっという間でしたが、支えて頂き本当にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

そんな節目に、僭越ながら、ヒルパインズエスプレッソという飲み物に絡めたお話を少しだけ。

世の中に、エスプレッソといっても色々あります。ファミレスのボタンで出てくる飲み物もエスプレッソですし、イタリアのナポリのバンコでギャルソンがウィンクしながら抽出するものもエスプレッソです。

エスプレッソの落とし方の定義として、大体12gから14gくらいをツーウェイのポーターフィルターに詰めて、で2口の出口から均一にトロントロンと落ちてきて、ワンショット30ml(約1oz)、23秒以内、がよし。というのを聞きますね。そして焙煎は結構深入り。フルシティとかイタリアンローストくらい。

ちなみに、ドリップコーヒーも色々ありますよね。オフィスの端のポットで煮えたぎったコーヒーも、いぶし銀のマスターが丁寧に落としたスペシャリティコーヒーのクリーンカップもドリップコーヒー。

じゃあ、ドリップコーヒーの定義ってなんでしょう?お湯の温度は?豆の分量は?粗さは?焙煎具合は?蒸らしの時間は?器は?

あれ、なんか一気にこだわる部分が増えた気がします。

コーヒー文化がセカンドウェーブからサードウェーブと呼ばれるものに突入しておよそ10年くらいでしょうか。

浅煎りのコーヒー豆でトレーサビリティが可能な単一農園のスペシャリティコーヒーを使ってエスプレッソを落として、ワインのテロワール的に土壌や豆の品種、ウォッシュト、ナチュラル、パルプドナチュラル、セミウォッシュトなどのあらゆるコーヒーの精製方法などが明記されるようになりました。

そして、上で述べたエスプレッソの定義(個人的によくそう聞くなと思われているもの。)も全く変わってきていますよね。というより、エスプレッソもドリップコーヒー同様、バリスタの追求する味に合わせて、焙煎具合や、抽出方法を吟味する時代になった感じですかね。これは、10年前にサードウェーブを牽引して来られた方々に築いて頂いた新しい価値だと感じております。

その流れの中で、ヒルパインズエスプレッソが単一農園のシングルオリジンではなく、ブレンドを使用するのは、店の味=ベースとなるエスプレッソの味=バリスタの味、だと思っているからです。単一農園のシトラス系の酸味のするスペシャリティコーヒーも大好きですので、自宅でドリップを落としたりして楽しんでおりますが、やっぱりコーヒー豆の本来の味を楽しむものだなって感じるんです。ワインみたいに。でも、エスプレッソって、コーヒー豆の本来の味は勿論美味しくないとダメなんですが、どちらかというと「バリスタの味」を楽しんでもらうものかなとも思っているんです。

話がそれますが、スペシャリティコーヒーを扱う上で「酸味」というキーワードがよく出てきますが、現在この「酸味」の意味が結構人によって異なるように感じます。日本語だと、どんな酸味も共通して「酸味」ですが、英語にすると「Sourness」「Acidity」「citrus」などの表現があります。

「Sourness」って聞くと、酸っぱそうと感じますが。「Citrus」と聞くと、ちょっと爽やかな柑橘系をイメージしますよね。柑橘系の爽やかな酸味も「酸味」、酸化したコーヒーの酸っぱさも「酸味」、だとちょっと混乱しますよね。

話を元に戻すと、ヒルパインズエスプレッソはそのシトラス系の酸味を残しながら、エスプレッソ特有のチョコレート感を味わってもらえるバランスを上尾のマルワコーヒーさんご協力のもと追求してきました。こうやって聞くと、深煎りでも浅煎りでもない、どっちつかずのブレンドのように聞こえますが(笑)ヒルパインズエスプレッソが追求したいのは、このチョコレートフレーバーを感じるエスプレッソなんです。店の味=エスプレッソの味=バリスタの味。的な。

僕が勝手に思うところですが、一番美味しいコーヒーは自宅で淹れる一杯のドリップコーヒーだと思っています。家の近くでコーヒー豆を買って、家のミルで挽いて、好みのドリップのセットで淹れる。それが一番美味しいコーヒーなんだと思います。

でも、美味しいカップチーノに辿り着くまでには、特別なマシーンが必要で、調整に大量のコーヒー豆を使用して、微粉の片付けが面倒なエスプレッソは、ずっとエスプレッソのことばかり考えているバリスタに淹れてもらう方が良いのかなと思ったりします。

これからも、そんなエスプレッソをベースにしたドリンクを提供させていただき、ああ、家の近くに美味しいカフェラテ、アメリカーノが飲めるお店があって幸せだなと思ってもらえるようなお店にしていければと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

川越の小さなコーヒースタンド

Hill Pine’s Espresso

 

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